【離島移住】佐渡市、下水道の話

佐渡で家を探していると物件案内の給排水設備の欄に

「浄化槽」

「浄化槽の汲取り・点検費用は貸主負担」

「汲み取り」

などと記入されているものを見かけます。

浄化槽ってなんだ? 汲み取りってぼっとん便所のこと?

本日はそんな佐渡の下水道事情についてのお話です。

 

下水道・合併処理浄化槽・汲み取り

家の排水設備は主に下水道・合併処理浄化槽・汲み取りがあります。

人口の多い地域はほとんどが下水道が通っていますが、山の中とか人口の少ない地域には下水道はありません。

そういった地域には合併処理浄化槽や汲み取り式タンクが設置されています。

下水道

下水道は汚水を浄化し、処理して川や海に返す大きな役割を持っています。

汚水とは家庭の調理・洗濯・お風呂・トイレから出た生活排水や、飲食店・工場からでた産業排水があり、これらすべて下水道を通り、浄化処理されています。

 

佐渡には下水道が通っている地域と通っていない地域があります。

佐渡市ホームページ公共下水道供給区域でその地域が確認できます。

佐渡の玄関口である両津地区と、アパートが多く移住者も比較的多い金井地区佐和田地区を見てみると

両津地区

金井地区

佐和田地区

黒く塗りつぶされているところが上水道が通っている地域です。

これらの地域は佐渡島内で人口も多く、下水道の整備も進んでいます。

 

合併処理浄化槽

下水道がないからといってすべてぼっとん便所というわけではありません。

人口の多い地域で生活されてきた方にはあまり聞き慣れないと思われる合併処理浄化槽

下水道が通っていない家に設置されています。

合併処理浄化槽とは・・・微生物の働きなどを利用して汚水を浄化し、きれいな水にして放流するための施設です。

 

家の敷地内(地下)に設けられていています。家庭から出る汚水すべてを浄化し、綺麗な水として放流します。

トイレも水洗トイレですし、調理、洗濯、お風呂、生活は下水道と何一つ変わりません。

 

汲み取り式

汲み取り式とはいわゆるボットン便所のこと。

下水道も合併浄化槽もない家に設置されています。

トイレから出たし尿をタンクに貯めて溜まったらバキュームカーで汲み取ってもらいます。

汲み取り式のトイレは簡易水洗トイレ非水洗トイレ(古い公園などにあるやつです)の2種類あります。

どちらも夏場など暑い時は害虫対策をしてもハエがわいてくることもあるそうです。

 

また、汲み取り式の場合、トイレから出るものはタンクに溜まりますが、その他キッチン・洗濯・お風呂などからの生活排水はそのまま自然に流れるというかなりの欠点があります。

 

合併処理浄化槽の料金

気になるのが、浄化槽の維持管理にかかる金額です。

維持管理は浄化槽維持管理会社にお願いをします。

契約すると、1年に3回保守点検をしてくれます。

その点検時に清掃が必要となれば別途清掃が必要になります。

この清掃は毎年行うものではなく、大体2〜3年に1回で良いそうです。

また、法律で年に1回浄化槽が正常に機能しているか検査する法定検査というものが定められております。

・保守点検 年3回 10,800円

・法定検査 年1回 4,100円

合計で14,900円

別途かかる清掃費用が1回 23,000円

 

清掃費用を2年に1回として計算すると保守点検・法定検査・清掃の年間合計26,400円

佐渡市の下水道の月額料金(最低料金)が1,886円 ×12ヶ月=年間合計22,632円

比べると、浄化槽の方が3,768円高いことになります。

佐渡で生活費をなるべく抑えたい人は下水道が通っている物件を探すといいかもしれません。

※以上は浄化槽の大きさは5人槽、1人暮らしの場合の例です。住む人数や浄化槽の大きさ(5人槽・7人槽・10人槽)などの条件によって金額は変わってきます。

また、浄化槽は電気を使って稼働しているので、別途電気代もかかってきます。

 

汲み取り式の料金

佐渡市のページを見ると

「くみ取りを新しく開始する際には、事前に市役所へ「一般廃棄物(し尿)処理届出書」を提出し、指定用紙に必要事項をご記入のうえ、環境対策課または各支所・各行政サービスセンターへ提出してください。」

と書いてあり、使用する際は市への届出が必要になります。

その後、各自で汲み取り業者に電話してバキュームカーで汲み取ってもらう。

大体3ヶ月に1回のペースで来てもらい、

1回の金額は3,000円くらい。年間12,000円

請求書が届き市役所に支払いに行きます。

下水道・合併浄化槽と比べ金額だけ見たら安いですが、衛生面や環境のことを考えると避けたい所です。

※以上は2人暮らしの場合の例です。こちらも住む人数によって変わってきます。

 

佐渡市の下水道処理人口普及率

新潟県ホームページより

新潟県市町村別下水道処理人口普及率を見てみると佐渡市の順位は真ん中より下の方ですね。。

佐渡市としても下水道事業を進めたい所ですが、下水道を整備するにはある程度人口のある場所でなければ使用料収入が見込めません。

その上佐渡市は高齢化と人口減少のため使用料収入も伸び悩んでいる実情があります。

 

合併処理浄化槽設置補助制度

佐渡市は浄化槽を設置する人へ補助制度があります。

佐渡市ホームページ

金額は上記の通りです。

もし佐渡への移住を考えていて欲しい家が汲み取り式の場合この補助金制度をぜひ活用ください。

この補助金の詳しいお問い合わせは

真野行政サービスセンター内 上下水道課 下水道総務係

電話:0259ー55ー3115

問い合わせフォームはこちら

上記以外にも以下の場所でも相談できます。

・両津・相川・羽茂支所:上下水道係
・行政サービスセンター(真野行政サービスセンター以外):地域支援係
・金井地区:本庁舎 総務課 金井地区支援室 地域支援係

最後に

SUIスタッフは今まで下水道が通っている地域で生活してきたため、浄化槽や汲み取り式について知る機会がありませんでした。

佐渡以外で物件を探す際もその点を意識することなく住むところを決めていました。

佐渡では特に中古物件を見ていると浄化槽という言葉を頻繁に耳にするので今回の記事を書いてみました。

もし今後佐渡で古民家に住みたい!古民家で飲食店を開きたい!と思っている方などいましたら、その物件の下水道事情も気にして探してみるといいかもしれません。

 

本日もお読みいただきありがとうございました。