【佐渡写真スポット】佐渡あめやの桟橋を深掘り!

※2023年6月更新

 

インスタで #佐渡 検索すると必ず見かける桟橋の写真。

名前はあめやの桟橋といい、場所は佐和田の海水浴場にあります。

両津港から車で約30分。特に道に迷うこともなく佐渡のくびれの反対側を目指したら着きます。

本日は佐渡で有名なこの桟橋についてちょっと掘り下げてお伝えしたいと思います。

あめやの桟橋の歴史

まず、あめやの桟橋を調べる前に桟橋とはなんぞやということで調べてみました。

桟橋とは・・・船舶が着岸するために陸域部から水上へ向けて作った橋状の係留施設である。

Wikipediaより

想像通り、桟橋って本来は船が泊まるための橋です。

しかし、このあめやの桟橋に船が泊まっているところを見たことがありません。

このあめやの桟橋は昔はどのように使われていて、名前の由来や歴史なども調べてみました。

あめやの桟橋を造った人

佐和田図書館へ行き調べてみたら、桟橋について説明されている書籍が見つかりました。

結論から言うとあめやの桟橋を造ったのは二代目 橋本新平(屋号:大新)さんと、三代目 橋本堆二郎さん。ということがわかりました。

初代橋本新平(屋号:大新)さんは金沢村大和田(現金井大和田)出身。中原(現 佐和田のローソンがある辺り)に移り住み割烹旅館を始めました。ちなみに佐渡に初めて人力車を持ってきた人だそうです。
二代目 新平さんは河原田諏訪町の海側の裏(通称松原町)で入江座という劇場を建て、映画や芝居、イベント会場として人が集まるコミュニティスペースを営んでいました。
三代目 新平さんは若い頃北海道へ行きそこでお店を構え、佐渡の荒物を販売していました。佐渡から北海道へ荒物を輸送するために親である二代目新平さんと共に桟橋が造られたと言うことです。
※荒物・・・ざるや桶、ほうきなどの日用雑貨。

大新の三代目堆二郎は、若い時に北海道の小樽に店を持って、佐渡から送られる荒物をさばいた。この父子は二代にわたり遠浅の河原田海岸に苦労して桟橋を敷設した。時化(しけ)ると下から持ち上げる波に、この桟橋は弱く何度も流された。大新の苦労は続く。輸入の太い米松(べいまつ)の柱にセメントの袴を穿かせて、どうやら流されなくなった。全ての経費は大新の自弁であった。其の後、此の桟橋は味噌醸造業の飴屋(池野氏)に引き継がれ、更に佐渡産業会社の醤油の輸出に大きく貢献した。

 

佐和田町史 通史編 Ⅲ 183ページ より

あめやの桟橋名前の由来

上記で説明した通り、桟橋を造った大新親子から、味噌醸造業を行う飴屋(池野繁次郎さん)へ引き継がれたことにより、あめやの桟橋と呼ばれるようになりました。

味噌醸造業なのに飴屋と言うのも面白いですね。

飴屋に引き継がれる前はなんて呼ばれていたのでしょうね。もしかしたら造った親子の屋号から、大新の桟橋などと呼ばれていたのかもしれません。

あめやの桟橋が造られた年

桟橋が設置された年がはっきりと記載された書籍は見つけられませんでしたが、

佐和田町史 通史編 Ⅲ182pには「明治11年 大新が設置した河原田桟橋図」が掲載されているので、その時にはすでに完成していたことがわかります。

明治11年(1898年)。御年なんと123歳!ご長寿ですね〜

 

ちなみに現在のあめやの桟橋は平成30年(2018年)に佐渡市によって作り替えられました。

あめやの桟橋の当時の長さ

あめやの桟橋の寸法ですが、先に紹介した明治11年 大新が設置した河原田桟橋図によると

『長二十間 八間、巾九尺』と記されています。

メートルに直すと当時の長さは

全長:20間+8間=28間=50m68cm

幅:9尺=2m70cm

※1間(けん)=約1m81cm 、1尺(しゃく)=約30cm

 

当時は全長約50mもあったんですね!!

割と長め。桟橋で50メートル走ができちゃいます。

 

気になる高さに関しての記述は見つけられなかったので、高さ含め、現在の長さもろもろ測ってきました!

あめやの桟橋を実際に測ってみる!

プロの測量士さんにお願いすべきなのかもしれませんが、予算の関係上SUIスタッフがダイソーで入手した5mコンベックスを使って測量したいと思います!

あめやの桟橋の長さ

計測したところ、現在のあめやの桟橋の全長は29m53cmありました!

5mコンベックスを6回に分けて測定したSUIスタッフ調べということをご理解ください。

あめやの桟橋の幅

続きまして桟橋の幅を測ってみます。

幅は2m70cm

明治に造られた当時(九尺)と幅が変わらないとは驚きです!

あめやの桟橋の隙間

写真を見ていただいた方の中でピンときた方もいらっしゃるかもしれませんが、隙間は割と広めです。

隙間も測ってみました。隙間は4cmでした。

 

ヒールを履いて渡る人は要注意です。
もし桟橋の先に立って写真を撮りたいなら靴を脱いで渡った方が安全かもしれません。

このような図になってしまってはバランスを崩して海に落ちかねません。

それに、あめやの桟橋には手すりがないのです。

ヒールを履いた女性をお連れの紳士の皆様におかれましては、ぜひ女性のお手を取り桟橋をお渡りください。

吊り橋効果も期待できるかもしれません。

 

たまたまですが、我々が計測していた時に先に渡った方々がこの隙間から鍵を落とされていました。

お手回り品を落とさぬよう十分お気をつけてお渡りください。

 

あめやの桟橋から海面までの高さ

潮の満ち引きがあるのであまり参考になりませんが海面までの高さも測ってみました。

桟橋の先から海面まで、約227cmでした。

水深も測りたかったのですが、もろもろ用意しておらず、次の機会に計測したいと思います!

見た感じ、海水も透き通っていて海底も見えたのでそこまで深くないだろうなという印象でした。

 

※撮影に行った日は中潮の干潮に近い時間に行きました。

あめやの桟橋の反対側

真野湾を背景にした写真ばかりが取り上げられていて、反対側の景色も気になる方へ。

いつも見るあめやの桟橋の反対、陸側の景色はこんな感じです。

 

左手の白い建物は海の家です。温水シャワー、更衣室施設も併設しています。夏のシーズンには海水浴客でとっても賑わう場所です。

 

奥には佐渡市立河原田小学校もあります。海が近くにある小学校、最高すぎますね!!

あめやの桟橋の注意点

この美しい景色と開放的な空間でついつい桟橋から飛び込みたくなりますが、それはなりません。

こちらの桟橋は飛び込み厳禁です。

水深が浅く飛び込んでもすぐ底についてしまうので非常に危険です。

最後に

映えスポットとして人気のあめやの桟橋。現在は本来の使い方である船が停泊するための施設としては利用されていませんが、この桟橋に立つと真野湾を独り占めした気分に浸れ、ああ佐渡に来てよかったと誰もが思うでしょう。

佐和田の海岸は遠浅で波も穏やか。陸風と海風が入れ替わる時間、夕凪・朝凪の時間帯は波の音も静まり、一帯が穏やかな空気に包まれます。

夏の観光シーズン真っ只中の時期には撮影のために並ぶこともあるほどです。観光スポットとして観光客にも島民にも親しまれているあめやの桟橋、佐渡に来た際には是非とも立ち寄っていただきたい場所です。

あめやの桟橋の場所はこちら!

 

 

Special Thanks to かやの実会

あめやの桟橋の測量&撮影にご協力いただきありがとうございました!

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました!