スポットライトではなく一人一人をちゃんと見てくれるところ。居場所がたくさんあると思います。


◆渡辺南風(わたなべみなみ)さん
◆20代
◆出身:新潟市
◆佐渡に来る前:東京で大学生
◆佐渡歴:2013年9月から
◆今の仕事:宿根木町並み案内所スタッフ、公益財団法人 鼓童文化財団(広報)、佐渡市地域活動支援員

渡辺南風さんは佐渡市地域おこし協力隊を経て、現在も活動拠点であった小木町で幅広い活動を行っています。いつも笑顔が印象的な南風さんに佐渡での暮らしについて聞いてきました。

改めて、佐渡の暮らしはどうですか?

SUI

佐渡に来る前の思いと今と比べてどうですか?
お気楽な気持ちで来てしまったなぁ・・・と思っています (笑)

渡辺南風さん

SUI

と、いいますと??
田舎暮らしがのんびりだと思ってきてしまって。 地域行事やイベントが多すぎるくらいあって、忙しいです。 都会にもある忙しさが田舎にもあるって感じですね。 地域のおじさんに「田舎の人間が暇だと思うな」って言われてしまいました。

渡辺南風さん

SUI

それはわかりますね、何かと忙しいです。
佐渡に来てすぐは地域おこし協力隊という仕事をやってたこともあって、「地域のことを知らなきゃ!」と色んな所へ顔を出していました。 昼の仕事だけでなく夜の交流会も・・・ま、飲み会ですけど。 でもそれでだんだん時間的に忙しくて疲れてしまって・・・。 そのとき職場の人に「もっと自分の色をもって自分らしく楽しんでやればいい」と言っていただきました。 それまでは「何も知らない。地域のことを知らないと何もできない」と自分自身で視野を狭くしていたんだと思います。 それを言われて「自分らしくやろう」と思ってから肩の力も抜け、かなり視野が広くなって佐渡の暮らしを楽しめるようになりました。

渡辺南風さん

SUI

人疲れしてしまうこともあったということですか?
かもしれません。 都会と違って、人とのつながりが強いですもんね。 共同作業や地元のルールがありますし。 でも島だからですかね、楽観的というかギスギスしてなくて、それに自分たちで作る・まかなえる人が多くて、丁寧な暮らしだなと思います。 尊敬できる人が多いかな。 ありがたくいただいたり使わせてもらったり・・・ありがたいなと思って生活するようになりました。
人はのんびりしていないんですけど、「佐渡」っていう大きな自然に包まれているのは心地いいですね。海も山も気持ちいいです。

渡辺南風さん

佐渡へはどんなきっかけで?

SUI

南風さんは大学生でしたが、そのころから佐渡へ行きたいっていう気持ちがあったんですか?
新潟で生まれ育って高校生のころはやっぱり「都会へ出たい!海外へ出たい!」という気持ちが大きかったです。 でもいざ東京へ出てみると、新潟生まれということが再認識というか、自分の地域への愛着を強く感じました。 地域おこしや地域づくりやそんな本をたくさん読んでいたんですけど、そのころから新潟県が盛り上がる仕事がしたいと思ってましたね。 東京で見かける新潟旅行のパンフレットは、スキーか佐渡がほとんどで。 新潟県を知るには佐渡かな、と (笑)

渡辺南風さん

SUI

都会を知ったから生まれ育った地域への愛着が生まれたんですね。
そうですね。 佐渡のことは全然知らなかったのですが、佐渡を学べば新潟のことも分かるようになるかなぁと。 新潟県内で地域にかかわれる仕事を探していたときに、※佐渡市地域おこし協力隊の求人をみつけました。

渡辺南風さん

※地域おこし協力隊 中山間地や離島など人口減少や高齢化などが著しい地方において、地域外の人材を受け入れ、地域協力活動を行い、その定住・定着を図る総務省の制度。 地域力の維持や強化を図っていくことを目的としている。 佐渡市は現在(2017年11月)10名の隊員が活動している。

今はどんな仕事をしていますか?

SUI

地域おこし協力隊の仕事は2016年に終わりましたが、今はどんな仕事をしてるんですか?
今3つ仕事をかけもっていますが、まず宿根木町並み案内所スタッフです。 宿根木は佐渡の南端にありますが、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されていて1年を通してたくさんの観光客が訪れます。案内所は観光客はもちろんですが、地元の人ともつながれる場所です。そこで宿根木の案内をしています。 2つ目は、地域活動支援員です。 担当していた小木地域の活動を続けたいなと思っていたところ市に声をかけてもらい支援員として働くようになりました。 イベント運営など協力隊のときのつながりを切らずに同じことができていますね。 最後は鼓童文化財団の広報の仕事です。鼓童文化財団では、宿根木の公会堂を舞台に「鼓童佐渡宿根木公演」という公演を行っていますが、そういった地域での公演の広報宣伝などをしています。夏のフェスティバル「アース・セレブレーション」では事務局を担当し、イベントを通した地域活性という点でとてもやりがいを感じています。

渡辺南風さん

今までの経験は島での仕事に活きていますか?

SUI

学生時代や協力隊の仕事が今につながっていると思うことはありますか?
ありますね、大学時代に地域づくり関連の本を読んでたことは先ほど話しましたが、夢や憧れだったことをまさに協力隊で実践できたということ、そして今もって勉強中です。 「鼓童」というと太鼓芸能集団として有名ですが、鼓童文化財団は地域に根付いた活動をしていこうと地域づくりに熱心に取り組んでいます。 私が入ったことで小木町ともっと近い距離でつながればいいと思います。 今年の※アース・セレブレーションでは小木町の商店街に人の流れを作るということで扇の市を同時開催しました。 扇の市は協力隊時代に力をいれていた活動だったので、鼓童の仕事につながったことがとても嬉しいですね。 たくさんの人が商店街に足を運んでくれたのでなおさら嬉しかったです。商店街の人が「地元の人、佐渡の人、都会の人が多く商店街を歩いてくれた。商店街と鼓童が連携してイベントが出来たことも大きかった。」と言ってくれたのでホッとしました。

渡辺南風さん

※アース・セレブレーション(通称EC) 毎年夏に行われる鼓童による国際芸術祭。海外の著名な奏者も招かれ国内外からたくさんのファンが訪れる。小木町を中心とし、関連イベントが島内全域で開かれる。

これからやってみたいことや目標はありますか?

SUI

これからの目標や挑戦してみたいことはありますか?
うーん・・・特に・・・(笑) 今はこの地域で仕事をしていきたいと思ってる途中です。 協力隊で地域のことが勉強できて鼓童文化財団で仕事のことを勉強して・・・社会とつながるしっかりした仕事をしたいと思っています。 地域のことと仕事のことの先に自分で何かできることがあればいいな。最終的には同世代や下の世代が地域に戻ってきたり入ってきたりする受け皿・・・というか自分がいることでそういう風に思ってくれる人が訪ねてきてくれると嬉しいです。おじいちゃん、おばあちゃんと作業するのも楽しいですけど、10年後20年後30年後考えたら、今後同世代の人とつながるのはとても大切だなと思っています。

渡辺南風さん

SUI

サポートセンターも「40年後の茶飲み友だちをここで」というスローガンなんですが、通じるところがありますね。
地域が続いていくためにも同じ世代とつながることはこれからやっていきたいことの一つです。

渡辺南風さん

SUI

結構「佐渡は仕事がないから帰れない」なんて聞きますが・・・。
そこまで強い思いじゃないのかなと思います。協力隊が終わってハローワークに通っていたとき、結構あるじゃないかと思いました。

渡辺南風さん

SUI

南風さんを見てると「地域で仕事をする」という今までになかった新しい選択肢がありますね。それは佐渡の若い人たちの勇気になると思います。

これから佐渡暮らしをしたい人へメッセージ

SUI

佐渡暮らしをしたい人へのメッセージをいただけますか?
あなたの居場所は必ずありますよ、って伝えたいです。最初は「何もんだ?」って目で見られるかもしれないですけど、実は観察していて自分たちと一緒に暮らしたりする仲間の一人だと認識してくれます。 地域おこし協力隊は少し特殊で、広告塔というか、舞台に上げられスポットライトを浴びる役になってしまいがちですが、普通の人でも一人一人のことを周りの人が見てくれる地域だと思います。 足りなかったりするところを補ってくれたりとか、また補ってあげたりとかみんなができることをやってるって感じがします。 パズルみたいに心地よくカチッとはまる場所があると思うんです。 居場所は絶対あります。

渡辺南風さん

 

最後まで笑顔が絶えなかった南風さん。 その笑顔の裏で経験したことが確実に「地域で暮らす」という自信につながっているように思えました。

 

 

\そんな南風さんのおすすめスポット/

◆宿根木
タイムスリップしたような懐かしい雰囲気を感じさせる小さな港町。のんびりと町歩きされる方が多くいらっしゃいます。観光のためではなく、未来のために歴史ある町並みを保存しようとする住民たちの努力が今の宿根木をつくりました。訪れる際には、生活している方々への配慮も忘れずにお願いします。

◆アース・セレブレーション
正直、地元にこんな楽しいフェスティバルがある佐渡の人はうらやましい!野外ステージで生き生きと演奏する鼓童メンバーとゲストが見られるコンサートや、佐渡の自然や食を満喫できるプログラムも様々。30年続いていることもあり、訪れるリピーター同士の交流の場にもなっていて、開放的でありアットホームな温かさも感じられるイベントです。